「アントキノイノチ」
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「アントキノイノチ」
監督:瀬々敬久
製作国:日本
公開年:2011年
出演:岡田将生、榮倉奈々 他
原作はさだまさしさんの小説「アントキノイノチ」。
主人公が働く会社は遺品整理業者「キーパーズ」がモデルとなっている。(Wikipediaより)
一番印象的だったのは、永島杏平(岡田将生)が亡くなった女性の娘・岡島あかね(壇れい)のもとへ、遺された手紙を渡しにいくところ。
ドアを叩きながら、「関係なくないんです!」「関係ないなんて言ったら俺たちみたいになるんです!」と叫ぶシーン。
「関係なくないんです」
嫌いな人だっているし、どうしたって合わない人もいる。
みんなそれぞれ、一人ひとり違う。
それでも、「関係なくない」んだ。
この台詞は、高校時代の永島杏平(岡田将生)が同級生・松井新太郎(松坂桃李)と取っ組み合うシーンでも出てきます。
ただ見ているだけで何もしない同級生たち(太賀 他)に向かって怒鳴るように言います。
「関係なくないだろ!」
「関係なくない」
この言葉が心の中に入り込んで、ぐるぐる回っています。
永島杏平(岡田将生)の同僚である久保田ゆき(榮倉奈々)が杏平に抱きつくシーン。
なんとなく、心に空いてしまった穴を何かで埋めたい、何でもいいから埋めてほしい、っていう感じがしました。
映画全体を通して、十代ならではの葛藤みたいなものが、もっと重たく、大きく、暗く、くすんだような雰囲気でした。
でも色は暖かい感じ。
不思議な世界観でした。
俳優陣の演技が本当に素晴らしい作品ですね。
岡田将生さんと榮倉奈々さん。
どこか陰があって、悲しそう。
そんな雰囲気がとてもリアルでした。
染谷将太さん。
彼はどうしてこんなにも狂気じみた役が似合うのか。
本当に素晴らしい。
そして、原田泰造さん。
「頼れる先輩」感が滲み出てる。
普段テレビで「はーらーだたいぞうです!」ってやってる人には見えませんでした。笑
個人的に驚きだったのは、松坂桃李さん。
こんな役もするのか!と思いました。
演技がリアルな分、めちゃくちゃ感情移入して、めちゃくちゃ泣きました。
特に最後の、杏平がアルバムをめくるシーン。
自分でもびっくりするほど泣きました。
人との関わり、そして誰しもが自分のイノチと過去を背負って一生懸命生きているんだ、ということを強く感じさせてくれる素晴らしい作品でした。
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